同じ職種同士の対談を通して、博報堂と博報堂DYメディアパートナーズのカルチャーをお届けします。
今回登場するのは、クリエイティブ職の3人。
「粒ぞろいよりも、粒違い」、「共創する文化」をカルチャーに持つ我々の会社で働く自分をぜひ想像しながら読んでください。

ウィークポイントが、
自分にしかない「強み」だった
同じクリエイティブ職でも、職域が異なる同期の3人。入社時からの印象を振り返ると、それぞれの「個性」が面白いほど浮き彫りに。
平岡「コピーライター、デザイナー、アクティベーションプラナーなので、役割的にも性格的にも本当にバランスの良い3人だと思います」
横山「そうだね。ただ、『アクティベーションプラナーって何をする人?』って聞かれると説明が難しい……。いまはSNSを含めてタッチポイントがいっぱいあるから、人の心を動かすために、どのアウトプットを選択するべきか、そこから考えるのがアクティベーションプラナーの仕事の大きな役割だと思っています」
竹之内「僕はデザイナーでありアートディレクターですけど、一番任されているのはキービジュアルをつくること。アイデアを一枚絵でビジュアライズして、みんながイメージできるカタチにする。それが広告やWEB、ロゴとかにも展開されます。合ってる?」
平岡「合ってる(笑)。コピーライターも広告物のキャッチコピーだけを書く仕事ではありません。例えば企画段階で、アイデアの軸となるものを言葉で示すという役割もある。そのひと言が決まらないと、10人以上いるチームが動かなかったりする場面もあって。最近は、「私が書かないと進まない」っていうプレッシャーを感じることもあります」
竹之内「アート&コピーって言ったりもするけど、デザイナーとコピーライターはセットで動くことが多いかもね」
平岡「そういえば、新入社員研修のとき、由季はとにかく印象的だった。人事が『自己紹介したい人?』って無茶振りしたときに、120人の中で由季が最初に『ハーイ!』って手を挙げて。とんでもない子がいるなって思った(笑)」
横山「あの時は、『こんなに同期がいる中で、顔も名前も覚えてもらえないままで配属先を決められるわけにはいかない!』って思っていて。とにかく自分を知ってもらうことをテーマにしてたから(笑)」
竹之内「僕は真逆。みんながワチャワチャとアピールするなか、後ろで静かにしてたかな」
横山「確かに、徐々に配属が決まり人数が絞られていって、クリエイティブ研修になってから初めて竹之内くんがいたことを知った!」
竹之内「クリエイティブ研修は15人くらいだったかな?その1カ月間でみんなと仲良くなったね」
平岡「すごく楽しかった。これまで会ったことないような、面白い同期がいっぱいで」
横山「当時、私と咲はいわゆる“普通の大学生”だったよね、ってよく話したのを覚えてますね。『ザ・クリエイティブ』という毛色じゃないねって」
平岡「個性が強すぎない、一般的な大学生」
横山「そうそう。咲は“ピュア爆弾”って言われてたし(笑)」
平岡「入社して1週間で師匠に“ピュア爆弾”というキャッチコピーをいただいて。嬉しい反面、そう呼ばれてしまうのってクリエイティブにおいて弱点というか、実はずっと悩んでました……」
横山「咲と私はお互いに、“感覚が一般的”という悩みを持ってました。でもその後、4年目研修とかいろいろな場面を見てきたけど、咲はそのピュアな部分が“武器”になっているな〜ってすごく感じたよ」
平岡「そんな風に思っていてくれたの。ちょっと泣きそう……」
横山「いまでも、普通の大学生でもクリエイティブ職に就けるんだ、っていう感覚があります。だから『私には無理だ』なんて、学生さんには思わないでほしいですね」

さまざまな挑戦が、
次のモチベーションにつながる
2022年、3人は ACCヤングコンペティション(年度テーマは「ローカルラジオの支援策」)に出場。『トーク甲子園』と名付けた企画が見事グランプリを獲得。それぞれの個性が結実した。
平岡「ACCでグランプリを獲れるなんて思ってなかったよね」
竹之内「でも最初から、『絶対に獲ろう!』っていう意気込みはすごかった(笑)」
平岡「これまで何度もいろいろな賞に挑戦したけど、2位・3位ばかりだったから、今回は獲りたいって思いはあったね、確かに」
竹之内「プレゼンは、前段でよこゆき(横山)が説明をして、転換で僕が『えっ、本当に?』ってヤジを入れたら、それを遮るようにして咲ちゃんが『お任せください!』って登場する流れにしていて」
横山「そうそう、役割を分けて」
平岡「全国に配信される『公開生プレゼン』だったから前日に何度も練習したよね。ロゴ入りのメガホンをつくったりもして、青春だったな」
竹之内「高校生が参加してくれるような企画を考えていたから、とにかく熱量を伝えたかった。あとはどこかで笑えるようなポイントもつくりたくて」
横山「事前に何回も決めポーズ練習したのに、全然うまくいかなかった(笑)」
竹之内「でも、そのおかげで笑いが取れたよね」
横山「このコンペのテーマを知ったとき、絶対2人と一緒にやりたいって思って声をかけたんだけど、グランプリをいただけて本当に楽しかった!」
平岡「由季はやりたいことが溢れているよね。私が出会った人のなかで一番バイタリティがあると思う」
竹之内「実行力があるよね。『これをやりたい』っていうものが、共感できるだけじゃなく『ついて行こう!』と思える。打ち合わせの場を明るく、良い空気をつくってくれるところも、特にいいよね」
横山「えー、うれしい!ありがとう。竹之内くんはお酒が入ると面白いよね」
竹之内「まいったなぁ(笑)」
平岡「わかる(笑)。ただ、真面目な話をすると、デザイナーだからデザインだけやるではなくて、コンセプトや言葉も含めて一緒に考えてくれる、頼りになる存在」
横山「そうだよね。最初は静かに聞いていても、大事なところで“鶴のひと声”をくれる。今回のコンペでも、企画タイトルを“ラジオ”ではなく、『“トーク”のほうがいいんじゃない?』って言ってくれたのは竹之内くんだった」
竹之内「みんなが話している間に一生懸命考えるタイプだから、発言まで時間がかかるんだよね。咲ちゃんはクリエイティブ研修のとき、自分のアイデアをプレゼンする場面があったけど、考えていることが全部ピュアだった。普通ならちょっとは悪い方に考えたりとか……」
横山「うがった見かたをしてみたりとかね。」
竹之内「そう。周りを落とすことでこれを良しとする、みたいな考え方もあると思うんだけど、咲ちゃんの場合は常に直球でまっすぐ」
横山「言い方によっては偽善のようにも聞こえかねない内容でも、咲は“本当にできる”ように伝える力がある。それってすごいことだよね。」

面白いことだけ
できる時代じゃない。
だからこそ、思考する。
変化し続ける現代に求められる、クリエイティブのあり方とは。3人はクリエイターだからこそ「自分視点」を持つ大切さを心に留めて、日々仕事に向き合っている。
平岡「私、『結構難しい時代に広告会社に入ったな』って思うことがあります。いまはじっくりとモノを見て選ぶ時代ではなくなってきて、例えば、広告も冒頭3秒で企業名を言うとか、いろんなテクニックがありますよね?でもせっかく誰かに見てもらうものをつくっているのだから、その人の心にちゃんと関係するコピーを書きたいとずっと思っています。“バズ”以上に“長く心に残るもの”をいつかつくりたい」
横山「葛藤があるよね、毎日。ただ面白いことだけじゃなくて、アイデア力も実現力も求められるから」
平岡「時代とともに媒体も変わっていくしね。タッチポイントも多様化しているからこそ、アクティベーションプラナーは勉強することが多いでしょ?」
横山「そうね、知識も必要だし、道具も使いこなさなきゃいけないし。とはいえ、アイデアに軸がないとただの手法になっちゃうから、それは避けたいと思っています。それから私はクリエイティブにおいて、アイデアやモノが世の中に出たときに『誰を幸せにできるのか』という視点を大事にしたい。目の前の仕事にいっぱいいっぱいになってしまうこともありますが……」
竹之内「アイデアをカタチにするとき、伝えたいことはたくさんあるけど、その中で『軸とすべきものは何か』は考えますね。『これは本当に人のためになるのか?』を問うことは重要だと思います」
横山「『一般の人のインサイトって本当にそこにある?』ってことを考えられる力は、もしかしたら私たちは他の人たちよりあるかもしれないですね。「一般人目線」を活かせるから。それに、普段から好きなことを楽しんでいる人のような、“自分の美学”を持っていることは、私たちの仕事にとって大事なポイントかも」
竹之内「そうだね。好きなことがあるって大事なことだし、原動力になる。そしてクリエイティブチームは違った視点が集まることが大切で、それぞれの意見が集まることでより良いものが出来上がっていくものだと思う」
平岡「私のチームではクリエイティブディレクターでも、6年目でも、新人であっても意見はすべて平等で、良いものであれば新人のアイデアでも採用される。最初はびっくりしたけど、すごく嬉しい環境ですね」
横山「上司・部下っていう言葉が、いい意味で似合わない会社だよね。これからも、好きなことにこだわれる、自分の視点を持つ人と一緒に仕事していきたいね」

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