-
自己紹介/担当領域
みなさん、こんにちは。2024年入社、ストラテジックプラニング職データサイエンティストのソン ミンジェです。大学では経営工学を専攻し、推薦システムにおけるバイアス除去に関する研究を行っていました。
学生時代、小売企業での長期インターンシップを通じてデータ分析に触れました。そこで、定期的なキャンペーンデータを活用し、機械学習モデルを用いてキャンペーンに反応しやすい顧客を予測する業務を行いました。しかし、反応予測に留まらず、より良いキャンペーンを継続的に計画していくには、データの相関関係に依存する予測モデルよりも、どの要因が顧客の売上向上に、直接的に影響を与えるのか、因果関係の物語を推論する必要性を強く感じました。
その結果、関連分野の研究に進み、社会では見出した因果関係の物語を基に実際に顧客を動かせる広告をつくりたいと考え、入社を決意しました。
現在は、博報堂DYホールディングスの統合マーケティングプラットフォーム推進室(以下、IMP)に所属し、メディアアライアンス領域において広告プロダクトの開発を担当しています。
-
仕事で大事にしていること
一人の生活者としての視座を高めること
IMPに所属するデータサイエンティストの役割はさまざまありますが、主に私は多様なメディアとのアライアンスを通じて、プラットフォームの「燃料」となるデータを供給する役割を担当しています。具体的には、メディアがわれわれとアライアンスを結びたくなるほど魅力的な広告商品とは何かを、日頃分析しています。
メディアに魅力が宿る瞬間は、その先にいる生活者が喜ぶときに成立するものだと思っています。ですので、分析の第一歩は、常に一人の生活者として「自分がいつ喜ぶか」を考えることです。さまざまな要素の前後関係が入り交じったデータの中で、自分の肌感覚をきっかけに物語を探ることで、単純な予測モデルでは見えなかった根本的なメカニズムが見えてくるようになり、データの見方も分析のやり方も変わっていくことを実感しています。
-
仕事で苦しかったこと(失敗・挫折談)
プロダクト開発研修で学んだ“下調べ”の大切さ
私が最も苦しかった経験は、プロダクト開発研修の一環として社内ツールを開発した際、既存のツールと重複するものをつくってしまったことです。
当時、社内ツールの開発機会をいただき、早く開発を進めたいという強い気持ちから、周りの人の意見をほとんど聞かず、自分の経験に基づいて課題を設定しました。具体的には、社内で広く使用されているインサイト発見ツールに時系列分析機能を追加するものでした。一緒に仕事をしていた同僚と約1週間かけてプロトタイプを完成させ、マニュアルも作成したうえで現場のスタッフにヒアリングを行いました。が、しかし……、すでに同様の時系列分析ができるツールが存在することに気づいたのです。周囲を巻き込んで作業を進めていたので、同僚に申し訳ない気持ちと、自分自身への恥ずかしさでいっぱいでした。
この経験は確かに私にとって苦しいものでしたが、新しいプロダクトを開発する際には、既存のツールとの重複を確認し、需要の検証も徹底するという習慣を身につける、貴重な学びとなったと思っています。
-
やりがいを感じる瞬間
自分がビジネスに貢献していると実感したとき
最もやりがいを感じる瞬間は、研究室で行った研究が実際に社会でも通用することを実感したときです。
研究室での研究によるインパクトが世の中で表れるまでには、非常に時間がかかることが多いです。でも実務では、より速いペースで、行ったことに対して即時的なフィードバックを得ることができます。このようなフィードバックを通じて、自分がビジネスに貢献していると感じられるときに、大きな達成感を得ることができます。
特に、データを活用した問題解決の過程で、新しい洞察や改善点を見つけ、それが実際にプロジェクトの成果に結びついたときの喜びは格別です。複雑な問題を解決するなかで、過去の研究で扱った知識が有効に活用され、そして、それを通じて実際の変化を生み出せたとき、研究と実務がつながっていることを強く感じます。
-
博報堂での一番の思い出
社会人1年目、遅刻はしなかったものの……
入社して間もない研修の頃の話です。研修期間を振り返ると楽しかったものの、毎日なんとなく緊張していたのを覚えています。特に、研修中に遅刻だけは絶対にしてはいけないと常に気をつけていました。
研修3週目——。緊張が少し緩んだせいか、朝アラームに気づかず、なんと20分も寝坊してしまったのです! 慌てて準備をし、普段乗るべき電車より一本遅れた電車に飛び乗りました。「遅延さえなければ間に合う……」と焦る気持ちで電車に乗り、なんとか無事にBizタワーに遅れず到着!
ほっと一息ついてエスカレーターに乗り、下を見下ろすと……。
バタバタ社会人1年目の恥ずかしい思い出です。
-
ハマっていること
ゴルフ
ゴルフにハマっています。子供の頃、父にすすめられたときはやりたくなかったゴルフ……。恥ずかしいですが、「簡単そう」に見えてやりたくなかったのが理由の一つでした。
コロナ禍に偶然始めて以来、ゴルフがいかに難しいかを思い知りました。世の中にこんなに思い通りにいかないものが他にあるのかと思うほどです。
私のストイックな性格が発揮されてしまい、数カ月前までは毎日練習場に通い、毎週1ラウンドを回っていた時期がありました。幸い今は、一周回って落ち着いたゴルファーになってゴルフを楽しんでいます。
何者遍歴

中学1年生
数学の問題を解くのが好きだった。
解けなかった一問を解くために徹夜をしたことも。
大学生
自分が「なんで日本に留学しに来たっけ?」と目的意識が薄くなった時期で、他の留学生たちの留学ストーリーが聞きたくなり、そういう内容を取材して動画配信する活動をしていた。
物語を導き出すことはやっぱり面白いと感じた。

大学院生修士
データから因果関係の物語を探したり推論したりする理論について研究。解けなかった一問を解くために徹夜をしていた中学1年生に戻った時期。
現在
研究で終わるのではなく、データサイエンスに商談を交えて、それをビジネス日本語でうまく説明できる自分を目指して奮闘中。
※社員の所属、職種、その他の全ての情報は本記事掲載開始日時点のものであり、現在の情報とは異なる場合がございます。