Member
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ビジネスプロデュース職
宮崎 瀬那
ビジネスプロデューサー
2023年キャリア入社/2014年入社扱い
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コンテンツプロデュース職
市野 有美
ビジネスプロデューサー
2014年入社/2009年入社扱い
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ストラテジックプラニング職
徳岡 幹大
マーケティングプラナー
2019年入社
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ストラテジックプラニング職
上田 直輝
マーケティングプラナー
2023年キャリア入社/2020年入社扱い
Interview 1
未完成のドーナツから
ヒット商品番付を狙う
「丸亀うどーなつ」プロジェクトの始まりについて教えてください。
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宮崎
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市野
普段のクライアントワークでは、商品やターゲット、予算が決まってから始まることが多いですが、このプロジェクトではもっと初期の段階から関わっています。ご相談いただいた当時、商品開発の途中でしたので、残りの部分を、マーケティング視点を加えながらクライアントと併走していくことになりました。
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宮崎
商品は決定していましたが、スイーツ市場に入るのか、間食市場に入るのか。現在のドーナツブームに乗るのか。それから、どういう体験価値をつけるのか。前年(2023年)に市野さんも関わっていた「丸亀シェイクうどん」は、振って楽しいのが体験価値ですよね。では、うどーなつではどうなんだろう? というところから議論しました。
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徳岡
最後は「うどん屋さんのうどんの価値」を核に据えました。うどーなつを食べても、「丸亀製麺のうどんってやっぱりおいしいよね」と、うどんに返ってくるぐらい、丸亀製麺のうどんには価値があると考えたんです。
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宮崎
「うどん生まれ」というのが、この商品にしかない競合と差別化できるポイントでした。そのため、手づくり打ちたてのうどんらしい圧倒的なもちもち感を押しだすことにしました。
商品開発のエピソードを教えてください。
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市野
丸亀製麺さんのテストキッチンで複数回試食しました。まずは食べて、忖度なく意見を出し合いました。そこから、店舗でのオペレーションなども可能か確認させていただきながら 、現実的な落としどころも一緒に見つけていきました。宮崎さんもたくさん食べてましたよね?
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宮崎
POPUPショップでのフレーバー開発では、半日で60〜70個くらい食べましたね(笑)。 駄菓子屋でいろいろなものを買ってかけてみるなど、とにかく試行錯誤しました。結果POP UPショップでは17種類のトッピングと3種類のソースを用意できました。
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上田
実際に試食するなかで、どんな生活者に食べて欲しいか、どんな伝え方をするといいか、丸亀製麺さんとよくディスカッションします。なので、自分自身も生活者としての感覚は非常に大事にしています。
生活者としての感覚を大切にしていたのですね。
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徳岡
はい。戦略の立案フェーズでもそこは変わりません。最寄り駅からの帰り道にドーナツ屋さんと丸亀製麺があるのですが、毎日歩きながら「どんな時だったらうどん屋さんでドーナツを買うだろう?」と自分の生活に落としこんで考えていました。戦略を立てる際にはフレームに沿った正しいロジックが必要ですが、戦略を尖らせるのは一人の生活者としての感情だと思っています。特に食という個人的な体験だからこそ、その点にこだわりましたね。
Interview 2
メンバーの関係値が
異例のヒットを生んだ
リリース後の反響について教えてください。
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宮崎
発売からすぐに結果が出て、販売数は6日間で100万食を突破しました。約半年を経た12月時点で1千万食を突破し、PR効果が丸亀製麺史上、過去最大級だったとの評価も受けました。また、マイナビティーンズラボ「2024年10代女子が選ぶトレンドランキング」にランクインしたり、CM総合研究所「2024年7月度 CM好感要因『商品にひかれた』銘柄別トップ10」にもランクインしたりと、大きな反響をいただけました。そして無事に、日経MJ「2024年ヒット商品番付」にも載ることができました。
ヒットの要因についてどう考えていますか?
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市野
クライアントとの近い距離感が勝因の一つだったと思います。パートナーとしていろいろディスカッションしながら細かな情報共有をして くださったので、コミュニケーションがスムーズでした。まるで丸亀製麺さんのマーケティング部の一員に加えていただいたような感覚 でしたね。
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宮崎
一緒に悩んで考え続けることで、「どうすればクライアントのビジネスが成功するか」ということに真摯に向き合う気持ちが生まれました。
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上田
クライアントとのコミュニケーションは活発でしたね。それも「これ提案してください」ではなく「これ相談したい」といった、パートナーのような関係と思っていただきました。また、チームも、垣根がなく、プロジェクトメンバー 全員でワンチームになれたことが大きかったと思います。
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徳岡
クリエイティブチームとの距離の近さもポイントでした。クリエイティブディレクターだけでなく、CMプラナーや監督と話すことができたため、戦略とクリエイティブの間でスピード感のある連携が取れたことが、結果につながったのかなと思います。
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上田
戦略面で言えば、ドーナツ市場でなく、「間食市場」に入ったのが良かったです。うどんを食べた後のおやつとしてもいいし、友達や家族とシェアしてもいいし、持ち帰るのもいいし。あえて一つに絞らなかったことで、多様な文脈で多くの生活者に届けられたし、今後もさまざまな仕掛けがしやすいポジションだと考えています。
Interview 3
博報堂の人と仕事で
いつの間にか「何者」になっている
博報堂で新しい市場をつくる良さや醍醐味はどんなところですか?
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上田
自分はもともとメーカーに勤めていましたが、博報堂に入って驚いたのは、自分の一生活者 としての感覚が、仕事に直結してくることでした。 たとえ1年目であってもその基準にかなえば意見が採用され、生活者へ影響を与えることができます。
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市野
私は「トレンドをつくっている」と肌で感じられる点です。仕事外の友人が商品を知っていたり「おいしかった」と話していたりと、ダイレクトに反響を感じられたときは「市場をつくるお手伝いができているな」という実感がありますね。
最後に、学生の皆さんにメッセージをお願いします。
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上田
自分らしい感覚や違和感を突き詰めると、この仕事は面白くなります。面白いアイデアも大事ですが、その土台となるのは、生活者発想だと思います。 気になることや変だと思うことを言語化して、周りに話すことで仕事につながるのが博報堂です。実際、自分もこのプロジェクトに入ったきっかけは「外食が好き!」と言い続けていたからでした。ぜひ、自分らしい感覚を大切にしてください。
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市野
実はこの仕事をするまで丸亀製麺のお店に1人で入ったことがありませんでした。 ですが、3年ほどか関わらせていただく中で、自分自身も丸亀製麺が好きという気持ちで働いています!! 学生のみなさんは、会社に入った後、すぐに希望の仕事や希望の部署で仕事ができないこともあるかもしれませんが、取り組むうちに、それがどんどん自分のやりたい仕事になっていき、結果的にやりたい仕事も巡ってくると思うので、ポジティブに取り組んでみてください。
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徳岡
博報堂には、自分が何者でもなくとも、いいところを引き出して強みに変えてくれる環境があります。私は大学で学んできた機械工学の道を選ばずに博報堂に入りました。しかし入社してみると、自分のなかで捨てたと思っていた機械工学の知識がさまざまな仕事のなかで活きることがあります。ここでは何かをしてきた経験があれば、誰でも何者かになれると思います。
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宮崎
ビジネスとアイデア、左脳と右脳の両輪をうまく回すのが博報堂の仕事。私は飽き性で、毎日同じことやっているのが嫌なタイプなので、毎日違う仕事をしている広告の仕事が好きです。私と同じタイプの人は、ぜひ受けてみてください。
戦略パートナーとしてクライアントと関わるなかで、うどんを使ったドーナツの開発を行っている話は3、4年前から伺っていました。その後、店舗のオペレーションの問題や商品展開のハードルをクリアした段階で、正式に丸亀製麺さんから相談をいただいたんです。